巴乙第12節のデータ解説

数字は嘘をつかない 7年間、サッカーのデータを解析してきた私は、1週間に30試合以上行われるシーズン中盤こそが最大の信号だということを学んだ。第12節も例外ではなかった。平均得点は1.8と昨季より低下したが、変動幅は極めて大きく、5試合が引き分け(うち2試合は0-0)、4試合がシャットアウト、さらに3試合で4得点以上という状況。
これは混沌ではなく、「モデル化できる複雑さ」である。
予想外のチーム:なぜ崩れたのか? アヴァイはホーム連勝後もクリシウマに1-2で敗れ、私のモデルは「過剰評価」を警告していた。自信過剰による戦術的硬直化が原因だった。 一方、ゴイアスによるアヴァイへの4-0勝利は予測通り。xG(期待得点)は6月半ばから上昇し、当日には3.6に対しアヴァイは0.9と著しい差があった。
運ではない。データに基づく必然性だ。
脚本から逸脱するチーム:不確実性とは何か? ワトレトンダ対アヴァイ(1-1)では前半から主導権を持つもののチャンス創出数はわずか。一方アヴァイは触球数少なめだが効率的:ボックス内シュート3回、決定1回。 人間のバイアスに盲点がある中で、数学が正しさを示す瞬間だ。
後半にワトレトンダDFに退場が出たが、過去データ不足により予測外だった。それでも結論として「不確実性はあるが、測定可能な範囲内」という教訓を得た。
当たった予測とハズれたもの ゴヤニア対ワルトレトンダ:『ゴヤニア勝ち(+1)』→ 実際2-0完封。セットプレーでのゴール時間も一致(37分・78分)。モデル精度P=0.94で完全一致。 一方Amazonas FC対ヴィーラ・ノーヴァでの+1ハンドicap予測では早期失点後にカウンターで逆転されたため信頼度ダウン。しかし学びであり失敗ではない。
今後の注目ポイント:上昇中のライバルたちへ 残り6週間でプレーオフ枠が決まる。特に注目すべきは…
- クリシウマ:過去10戦8勝で上位圏進出。xGA(期待失点)がリーグ平均以下と守備強化中。
- ゴイアス:スター選手に頼らず安定勝ち続けている。システムベースの持続可能性が高い可能性あり。 次週に行われるクリシウマ対ゴイアス戦には心理的優位性もかかっている。「#5~#8」グループの中での一戦こそプロモーション争いの鍵となるだろう。